増大号特集 特集1 カリキュラム編成の指針
カリキュラムマネジメントの考え方と実践に向けて
藤江 康彦
1,2
1東京大学大学院教育学研究科
2学校教育高度化専攻 教職開発講座
pp.678-686
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201542
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カリキュラムマネジメントが求められる背景
カリキュラムマネジメントとは、教育学者の田村知子によれば「各学校が、学校の教育目標をよりよく達成するために、組織としてカリキュラムを創り、動かし、変えていく、継続的かつ発展的な、課題解決の営み」1)と定義されており、幼児教育を含む学校教育の現場において広く認知され、授業実践や学校経営、教育行政の今日的な課題として位置づけられています。
このような考え方が導入されるにあたり、小学校から高等学校までの学校教育の現場においては、大きな意識変革が求められました。なぜなら、従来、学校教育のカリキュラムは教科を中心に学習指導要領に基づいて編成されており、それぞれの学校の裁量が働く余地はほとんどないと考えられてきたためです。しかし、小学校・中学校・高等学校と順次2020年度から施行される新たな学習指導要領がその目標を達成するためには、カリキュラムマネジメントが必要であることが、学習指導要領の理念を示す「総則」において明示されたのです。
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