特集 あらためて学ぶ、なぜリフレクションか
看護学生に看護の“わざ”をどう教えるか―knowledge, skill, philosophy
安酸 史子
1
1関西医科大学看護学部 基盤看護分野看護学教育領域
pp.306-312
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201461
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昨年の日本教師学学会の国際カンファレンス“How People Learn ‘WAZA’ From the Education Field of Teaching and Nursing”において、看護学生に看護の“わざ“をどう教えるかについて講演する機会をもった。
ドナルド・ショーンは、前例がなく不確定で価値葛藤をはらむ実践状況のなかで発揮される専門家の技を、professional artistryと表現し、これは講義や授業といったteachingの様式では教えることができないと明言し、「行為の中の省察」をとおして獲得されるとした1)。artistryとは、辞書的には芸術的手腕(技巧)、芸術的営み、芸道という意味である。看護実践の場は、ショーンのいう、前例がなく不確定で価値葛藤をはらむ実践状況に遭遇することが多く、その状況のなかで判断し行為し続けるartistryが求められている。そのため、学生がartistryの獲得をめざして成長するための省察的実践の力をつけることが必要と考えている。
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