特集 カリキュラム編成のヒント 臨床判断能力を育む取り組み
なぜ、臨床判断能力か
池西 静江
1
1一般社団法人日本看護学校協議会
pp.98-106
発行日 2020年2月25日
Published Date 2020/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201420
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
指定規則改正と「臨床判断能力」
厚生労働省は2019年10月15日に「看護基礎教育検討会報告書」(以下、報告書)を公開しました。2018年4月から始まった看護基礎教育検討会(以下、検討会)および看護師ワーキンググループの検討のなかで、これからの看護師に求められる能力の1つとして、「臨床推論」や「臨床判断」が取り上げられました。報告書のなかでは「臨床判断の基礎的能力」と表記されました。そして、保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下、指定規則)及び看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン(以下、指導ガイドライン)の第5次改正案では、専門基礎分野は「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」を合わせて15単位だったところが、1単位増えて16単位に、基礎看護学も、臨床判断能力を含めた能力強化のために10単位を11単位に増やしました。看護の統合と実践では単位数は増えませんでしたが、指導ガイドラインの留意点に臨床判断能力について明記されました。このように第5次改正においては「臨床判断能力」が注目されています。
そこで、本稿では、なぜ臨床判断能力か、臨床判断とは何か、臨床判断の基礎的能力をどう育成するか、について考えてみたいと思います。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.