連載 医療通訳inバンクーバー・5
文化で異なる痛みの感じ方
高橋 麻貴子
1
1Trans Med
pp.675
発行日 2019年8月25日
Published Date 2019/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201303
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医療通訳という立場上、さまざまな医療現場(クリニック、検査病院、専門病院、薬局など)へ日々顔を出すのですが、そこで新しい知識を得たり、気づいたりすることが多々あります。そのなかでよく感じるのは、カナダを含む北米の人は「痛み」に関して敏感だということです。そのため医療者は、少しでも早く患者を「痛み」から解放することに重点を置いています。
私は今年の3月にアメリカでインルフエンザにかかってしまい、緊急病院へ行ったのですが、後日送られてきたアンケートには、痛みに関する質問がものすごく多くて驚きました。病院で1回に渡されたイブプロフェンの量は1000mgでした(日本の市販薬は150〜200mg程度)。歯科でさえ、不安や緊張している患者には精神安定剤を処方します。そして、治療する際には必ず麻酔を打ちます。
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