連載 医療通訳inバンクーバー・3
医師との協働で大切な看護師のadvocacy
高橋 麻貴子
1
1Trans Med
pp.484
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201261
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前回に引き続き、日本人の診療看護師(ナースプラクティショナー)のSteven Hashimotoさんから伺ったお話をお伝えします。今回は、医師と看護師の協働についてです。
最近の医療の根幹に、チーム・ベースド・アプローチという概念があります。これは、1つの専門職(たとえば医師)のみが患者を診るのではなく、多職種連携したチーム医療でこそ、ホリスティックな医療サービスが実現できるという考え方です。カナダや米国の研究で、医師と看護師のコミュニケーションが良好であることが、エラーの減少や患者の満足度の向上につながることが証明されています。患者に最も近い存在である看護師は患者の状態をこと細かに報告し、その情報は医師を含めた他職種と共有されます。医師は、その情報をもとに治療経過を評価し、他職種からいろいろな意見を聞きながら、治療方針をチームでつくり上げていくのです。
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