特集 外科医を支援する
【事例】
体外循環における協働―医師の立場から
安達 秀雄
1,2
1自治医科大学附属さいたま医療センター 心臓血管外科
2自治医科大学附属さいたま医療センター 臨床工学部
キーワード:
体外循環
,
人工心肺
,
心臓血管外科医
,
臨床工学技士
,
業務の委譲
Keyword:
体外循環
,
人工心肺
,
心臓血管外科医
,
臨床工学技士
,
業務の委譲
pp.740-743
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101529
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心臓血管外科医の主要な役割は心臓,血管の病気で生命の危機に瀕した患者を手術治療によって救うことである.心臓は血液を駆出しているポンプであり,血管は血液を全身に送る配管の役割をしている.これらに不具合が発生すると循環が滞り,生命が危険にさらされる.心臓は収縮と拡張を繰り返し,血管は新陳代謝しながら様々なホルモンやサイトカインを分泌し,両者は協働して全身に血液を安定的に供給している.心臓血管外科医は不具合を来したこのシステムを手術治療によって修復しようとするのであるが,そのためには一時的にポンプ機能や循環を停止する必要がある.この停止中の機能を代行する装置が人工心肺を主体とする体外循環装置である.臨床工学技士の重要な業務の1つは,医師の指示の下にこの体外循環装置の操作と保守点検を行うこととされる.
本稿では日常行われている心臓血管外科診療における外科医と臨床工学技士との協働作業の実際について,筆者の施設の現状を述べ,今後の課題についても触れたい.
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