特集 薬物治療の質向上
Part 1 薬物治療の質を語るうえで知っておきたい知識と実践例
2.—薬物治療の質担保のために医師と薬剤師はどのように協働できるか—Case 1:診断プロセスにおける協働
綿貫 聡
1
,
榎本 貴一
2
Satoshi WATANUKI
1
,
Kiichi ENOMOTO
2
1東京都立多摩総合医療センター 救急・総合診療科
2練馬光が丘病院 薬剤室
pp.215-220
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120020215
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患者に最適な薬物治療を提供するためには,そもそも診断が適切でなければならない。診断の見逃し,遅れ,間違いが起こることで必要な処方がなされなかったり,逆に本来不要な処方がなされたりすることもある。もちろん薬物有害事象の診断を見逃してしまうことも問題である。近年,診断の質は患者安全における重要なテーマとして注目されており,そこには患者や医師以外の職種もかかわるといわれている。
本稿では,診断プロセスにおいて医師と薬剤師がどのように協働しているか,協働を実現するために何が必要かを解説する。診断プロセスから協働を意識することで,結果的に薬物治療の質向上にもつながることを実感いただければ幸いである。

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