特集 —指定規則改正前の今こそ!—未来をみすえたカリキュラムを考える
地域のニーズを反映した柔軟なカリキュラム開発—領域横断型カリキュラムにチャレンジしよう
池西 静江
1,2
1一般社団法人日本看護学校協議会
2Office Kyo-Shien
pp.100-107
発行日 2019年2月25日
Published Date 2019/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201172
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社会の変化とカリキュラム
教育は10年後、20年後に活躍する人材を育成する
2025年、さらにその先の日本は、人口、なかでも、生産年齢人口の減少、出生数の減少にも歯止めがかからない一方、老年人口割合は増加する。人生100年時代を迎え、一人暮らしの高齢者の激増、認知症高齢者は5人に1人と予測される社会である。誰が人々の生活を支えるのか、誰が社会を支えるのか、大きく変化する社会を今、私たちは正しく認識しなくてはならない。同時に、これからの社会は、市町村レベルの「地域」が主体になる。高齢化率や健康問題、産業、交通事情、そして、そこで働く専門職者にも地域格差がある。そこに住む人々の文化的背景や価値観などにも違いがある。そのなかで、人々の生命と生活をどう支えていくか、その対策は「地域」により違って当然である。
これまで、多くの看護学校・養成所では、保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下指定規則)に定める7領域からなる看護学〈基礎看護学、発達段階別看護学(母性、小児、成人、老年)、精神看護学、在宅看護論〉を画一的に取り入れ、運営してきた。しかし、これからの時代をみすえ、地域のニーズに応える看護師養成をめざすとき、画一的ではなく、地域のニーズ、学校・養成所の教育理念を反映した特徴あるカリキュラムの柔軟な開発、運営が必要である。
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