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大学教育,大学入試選抜の改革に対応していくための課題─九州大学のセミナーに参加して
宗正 みゆき
1
,
宮林 郁子
1
1福岡大学医学部看護学科
pp.1070-1073
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201141
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大学入学者選抜や大学教育改革への対応を考えるためのセミナー参加
2008〜2014年にかけて高大接続一体改革や小,中等教育の学習指導要領などの改善について中央教育審議会より答申1,2)が出され,幼児教育から大学教育まで一貫した教育改革が推進されている。この改革の背景には,科学技術の急速な進展により予測が困難な社会情勢において社会変化に対応できる人材の育成が必要であることや,経済協力開発機構(OECD)が汎用的能力に注目し,「何を学んだか」から「何ができるようになったのか」という21世紀の能力観が世界的に変化している3)ことにあるようだ。
本誌59巻4号(2018年4月号)掲載の『学習指導要領改訂と大学入試改革の影響』のなかで濱名篤氏(関西国際大学学長)は,「学習指導要領の改定は,看護教育にとっても,対岸の火事どころか,世界的な能力観の転換とつながるものであり,大学や専門学校にとっても根本的な教育への考えの転換と対応を求めることになる」4)として,学生の資質・能力を育成する「主体的・対話的で深い学び」と「見方・考え方」という学習・指導方法に対する方向転換により,専門知識の暗記や国家試験対策に重点を置いたままの看護教育の見直しを求められるのではないか5),と述べている。
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