連載 つくって発見! 美術解剖学の魅力・12
外果と内果─腱を引っかける出っぱり
阿久津 裕彦
1,2
1順天堂大学解剖学生体構造科学講座
2東京芸術大学美術解剖学講座
pp.1019
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201131
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足首の内外両側にあるくるぶしは,下腿部つまり“すね”の骨の一部です。すねには内外2本の骨があり,内側の脛骨下端が内くるぶしを,外側の腓骨下端が外くるぶしをつくります。足はくるぶしに挟まれた足首から自由に動くように見えますが,実際の足首の運動は曲げ伸ばしだけです。くるぶしが“足首の骨”距骨を左右両側から挟んで動きを制限しているのです。また,くるぶしが側方へ突出しているのには訳があります。それは,この出っぱりに腱を引っかけて向きを変えているのです。内くるぶしではふくらはぎの下から足の裏へ行く腱が向きを変え,外くるぶしにはすねの外側の腓骨筋の腱が引っかかり向きを変えます。
造形するときは,内外のくるぶしの位置の違いを意識します。高さでは外くるぶしがより低く,前後では内くるぶしがより前方にあります。また,アキレス腱の外側は腓骨筋腱があるだけなのでおちくぼみ,アキレス腱の輪郭が鋭く現れる傾向にあります。
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