連載 授業を良くする! 教育関連理論・10
グループ学習の効果を高める③─さまざまな技法を活用する
西野 毅朗
1
1京都橘大学 教育開発支援センター
pp.760-766
発行日 2018年8月25日
Published Date 2018/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201069
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前提を押さえて技法を用いる
本稿は,グループ学習の効果を高めるというテーマの3回目です。第1回「協同学習の前提を押さえる」(59巻6号)では,グループ学習の理論としての協同学習とは何か,その効果はどのようなものか,どのようなことを事前に考えておく必要があるか,グルーピングはどのようにすべきかについて扱いました。第2回「アイスブレイクの技法」(59巻7号)では,グループ学習を円滑に進めていくためには,受講生の不安や緊張をほぐし,学生同士の相互交流を促していく必要があることを述べました。そして,そのための方法論としてさまざまなアイスブレイクの技法を紹介しました。
アクティブラーニングの研修依頼をいただくときも,その多くは「(すぐに使える)技法を教えてほしい」という要望が中心です。一方で,技法を使うだけではアクティブラーニングにならないのではないか,技法を使ったけれどもうまくいかなかったなどの困惑,疑問や批判もあるようです。そこで本連載では技法を紹介する前に,その背景にある考え方や,グループ学習への導入の仕方について説明させていただいた次第です。さらに元をたどって,授業分析や授業設計の考え方まで立ち返っていただくと,なんのためにグループ学習を用いるのか,どのような技法を用いるべきかをより明確にできるはずです。
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