特別記事
ストレスケアのための臨床瞑想法─マインドフルネスとの比較から
大下 大圓
1
1飛騨千光寺
pp.200-206
発行日 2018年3月25日
Published Date 2018/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200939
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医療者のストレス
近年,対人援助職のストレスコーピングが重要になっています。わが国の看護教員は,授業や実習指導,行事の指導,生活指導,就職指導,教務事務など業務内容が多岐にわたっており,1人の教員にかかる責任が重く,ストレスフルな環境です。看護教員のバーンアウト研究では原田浩二らが,「学生対応」「職場環境」「教員資質」「多忙」「トラブル対応」「教育方法」「教員相互関係」「研究資源」「教育能力向上」の因子で169人から回答を得たものがあります1)。それによれば,看護教員をめざした者は全体の3%にすぎず,上司や先輩の薦め,職場や家庭の事情など,もともと教員志望は少ない現実があり,ストレス指標も志望者ほど減少気味であることが報告されています。
実際,そういったストレスフルな環境で職務遂行を行っていくことは,多くの職務上のジレンマやストレスを発生させています。実は1988年の早い時期から医師や看護職のストレスについての研究があります。それは「燃え尽き現象」の要因として,心理社会的環境特性(生活出来事,日常苛立事,仕事や職場での対人関係,職場の雰囲気および仕事の士気,患者や医療従事者仲間,上司からの活動期待・支持,情緒的支援)と行動特性(A行動特性,神経質型行動特性,対処型行動特性)の両面から調査が行われたものです2)。
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