特集 省察的実践者を育む─ショーンからの提起とともに
看護教育におけるショーンの提起の重要性
前川 幸子
1
1甲南女子大学看護リハビリテーション学部 看護学科
pp.988-993
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200878
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省察的実践者を育むリフレクションを
私たち看護教員にとって,リフレクションは馴染みのある言葉である。たとえば,看護学実習のカンファレンスで,学生が患者とのかかわりや看護実践をもとにリフレクションを行ったり,講義や演習終了後に,学習内容を確認するために「リフレクション・シート」を用いたりする。このように,学生の体験をもとに振り返りを行うことを,私たちは総じてリフレクションと呼んでいる。その内実を見てみると,学生がある出来事をとおして自らを省みることで,自己認識的な内面の気づきを得ることであったり,あるいは学生同士が協働的に出来事を語り合うことで,それぞれ自己の課題を明確にしたり,自身の見方をとらえ直すことなど,形式として,多面的な表情を有している。
確かにリフレクションは,学生の内面を幾様にも浮上させることを可能にする。しかし多様な形式によって表出された内容がいかに豊かであったとしても,そもそものリフレクションの方向性が見出せなければ,看護における意味はもたらされない。
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