特集2 喫煙と看護
禁煙指導に対する問題提起
河野 總子
1
1北海道大学医学部付属看護学校
pp.417-421
発行日 1981年4月1日
Published Date 1981/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922762
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私たち看護婦は,看護婦になることを志した学生の時から,タバコ煙の主成分であるニコチン,タール,一酸化炭素などの身体に及ぼす影響について,科学的かつ専門的に教育される.従って我々看護婦のタバコに対する考え方は,マイナス要因の高いものという共通の認識の上に立っていると言える.そして,患者の入院と同時に集められた情報に基づいて,‘これを機会にタバコをやめてもらおう’あるいは‘喫煙の習慣がなくなったならば,この人はもっと長生きをして,豊かな人生がおくれるはずである’などと期待する.更にその期待に基づいて,その患者に今後の人生のすべてにおいて‘禁煙’をしてもらうことを目標とし,看護計画を立てる.
その時に選ばれる方法は,通常は,その人の疾病にどのように悪影響を及ぼすかといった説明を行い,禁煙の決心を促す。更に,それがなかなか成功しない場合には,チーム・カンファレンスで論議をし,その人の禁煙に障害となっている原因を探ろうとするが,明確な返答を得られることは少ない.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.