特集 全国助産婦学生研究論文集・2
指導者の立場から
山村一般がもつ問題を提起
木下 謙治
1
1山口大学家族社会学
pp.185
発行日 1974年3月25日
Published Date 1974/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204679
- 有料閲覧
- 文献概要
調査対象地である柚木地区は,県北東部の端に位置し,島根県鹿足郡に接する山村である。一昨年調査時には,まだ7月豪雨の爪痕が随所にみられたが,山村特有の美しいたたずまいをみせていた。もちろん報告に散見されるように,生活全般の都市化は急速にすすんでいる。防府市に通じる道路が整備されたこともあって,農閑期を中心に,送迎のマイクロバスで臨海工業地帯方面などに日雇いに出る形が一般化してきている。主婦層でもかなりのものが日雇いに出ている。
私の訪問した家庭では,30歳台の夫婦がともに日雇いに出ており,夜8時すぎの遅い夕食の卓を囲んでいた。食事がすむとあと片づけもそこそこに就寝しなければ,朝が早いから間にあわないという。仕事の場所が遠いからである。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.