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書評「はじめての医療面接―コミュニケーション技法とその学び方」
神津 忠彦
1,2
1東京女子医科大学医学教育学
2東京女子医科大学消化器内科学
pp.1602
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104928
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対話は医療を構成する重要な要素の1つである.医師を志す者はもちろんのこと,既に長い間医師として診療に携わってきた者であっても,患者と向き合う場における自らのあり方を学び,振り返り,向上を求めて研鑽し続けることは,プロフェッショナルとしての義務でもあり,喜びでもある.
医学・科学技術・医療・社会が激しく変化する中で,日本でも医学教育改革が急ピッチで進んでいる.言うまでもなく,改革の主眼の1つは良医の育成にある.知識偏重の伝授型教育から脱却し,医師に期待される臨床技能や,態度,習慣,考え方を身につけさせるための,バランスのとれた医学教育が模索されている.その中で医療面接に関する教育については,態度ばかりでなく,その根底にある心のあり方までも含んだ領域であるだけに,ともすれば教員にも学生にもある種の戸惑いを引き起こしやすい.その意味で本書は,医療面接をめぐる学習を開始しようとする学生ばかりでなく,教育に携わる教員にとっても好適なガイドブックとして,生涯にわたるよい伴侶となるであろう.
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