連載 “医療安全力”を育むリスクアセスメントトレーニング・Training 26
—基礎編—“学生1人で実施しない(指導を受ける)”を遵守して事例発生を防止する!
斉藤 奈緒美
1
,
石川 雅彦
1
1公益社団法人地域医療振興協会地域医療安全推進センター
pp.478-484
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200523
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医療安全教育における現状と課題
医療技術の進歩と医療安全推進の取り組みの展開,および患者・家族の主体的な参加と関心の高まりなどの変化を受けて,看護基礎教育においても,看護学生(以下,学生)が習得する必要のある看護技術や,臨地実習に際して説明をした上で同意を得ること,臨地実習で経験できる看護技術の範囲や機会の制限などに影響が及んでいる。
これら医療を取り巻く変化と,新人看護職員の関与するインシデント・アクシデント事例の現状に基づき,新人看護職員の臨床実践能力の低下が課題であるとし,2006年,厚生労働省において「看護基礎教育の充実に関する検討会」が開催され,医療安全等を学ぶ統合分野・統合科目の創設などのカリキュラムの改正案が取りまとめられた。2008年,文部科学省が公布した「保健師助産師看護師学校養成所指定規則等の一部を改正する省令」により,2009年度から保健師助産師看護師学校養成所のカリキュラムに「統合分野」が創設され,「看護の統合と実践」のなかに「医療安全」が明記されたことは周知のとおりである。
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