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書評─『看護学生のための実習の前に読む本』─実習の“結果”を変える一冊
花里 美雪
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1松戸市立病院附属看護専門学校
pp.555
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200247
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現行カリキュラムでは看護実践能力の強化が強調されました。看護実践能力を高めていく現場が臨地実習です。実習では実際に患者さんや,その患者さんに日々ケアをしている先輩看護師にふれる体験を通して,ものの感じ方,考え方,人間としてのあり方を学ぶことができます。実習は体験学習であり,多くの学生が不安を抱き,緊張もします。その状態ですと,自分の力を発揮するどころか実習が辛く嫌いなものとなってしまいがちです。
本書では,学生が実習中に乗り越えるべき課題を,どのように考え,行動し,解決したらよいのかを紹介しています。実際の学生の実習進度に沿って書かれており,『実習前対策』では,実習前に確認しておきたい実習目的および実習目標の理解の重要性や自分の免疫力を知っておくことなどが紹介されています。すなわち,実習とは患者さんと出会いの前に始まっていることを説いています。看護師が怖い,厳しい,声をかけづらいという不安で「看護師への報告が大変!」と感想を抱く学生へのヒントとして,『指導者との関係』のかなで,どんな人間関係を築けばよいのか,伝わる報告のコツを説いています。
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