看護教育研究
屋根瓦式教育システム型実習前訓練における“教える側”学生への効果
谷村 千華
1
,
野口 佳美
1
,
酒井 知恵子
1
,
西尾 育子
1
1鳥取大学医学部保健学科
キーワード:
屋根瓦式教育
,
実習前訓練
,
自己効力感
,
看護学生
Keyword:
屋根瓦式教育
,
実習前訓練
,
自己効力感
,
看護学生
pp.334-340
発行日 2015年4月25日
Published Date 2015/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200194
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緒言
近年,“教えられた”者が次の者を“教えていく”という「屋根瓦式教育(Multi-Layered Education)」が注目されている。この教育システムは,先輩が後輩の学習を支援するという形式を“屋根に敷かれた瓦”に例えたものであり1),近年では,医師の卒前卒後臨床教育2-5),新人看護職員教育に取り入られている6, 7)。看護基礎教育においては,屋根瓦式教育という言葉はあまり用いられていないが,先輩参加型演習の効果,学生の学び合いを促進する協同学習の効果を検討した研究はみられる8─10)。
屋根瓦式教育は,“教えられる側”にとって,「わからないことや聞きたいことがすぐに聞ける」「心強い」といった利点があることが報告されている3)。学生を対象とした屋根瓦式教育では,実習を経験した上級生が演習に参加することにより,後輩学生は将来の自分像を描くことができると報告されている1)。また,北見ら11)は,屋根瓦式教育で学生の学習効果が向上する理由として,教員よりも先輩には気軽に質問でき,聞きにくいような基本的な質問ができることを示している。
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