連載 ナースよ,リアリストたれ! 中西睦子が語る看護と教育・10
“敵は誰か”を見失ってはいけない
松澤 和正
1
,
中西 睦子
2
1千葉県立保健医療大学 健康科学部看護学科
2国際医療福祉大学大学院
pp.984-991
発行日 2014年10月25日
Published Date 2014/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200020
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「まもる」というのがキーワード
松澤 先生の「社会看護」という考え方は,看護管理という文脈のなかで生まれてきたものですか。看護管理学とはかなり違うのですか。
中西 キーワードはダイナミクスね。地球全体の規模のなかで,貧しい国が増えて,戦争が勃発したり,いろんなファクターが働いて,人間の健康問題も変わっていく。医学がそれを追っかけてきていると私たちは思い込んできたけれど,そこまで医学の感度がいいわけじゃないのね。もう1つ,こういう表現もあった。いままで私たちナースは,川下で溺れかけた人を救うために汲々としてきた。けれどいまや,川上で溺れないように私たちの力を使うべきだと。卓見じゃないですか。
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