特集 論文執筆のススメ 実例から学ぶ良い論文の書き方
論文書き直し実践講座(査読を受けて変えたこと)—看護教育研究「学生がクリティカルケア看護の独自性を捉えた場面に関する検討」(小誌Vol.54 No.8掲載)の場合
平良 由香利
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1獨協医科大学看護学部
pp.946-949
発行日 2014年10月25日
Published Date 2014/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200010
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研究動機と論文投稿の動機
本校のクリティカルケア看護実習は,3次救急の指定を受けた救命救急センターおよび心臓・血管手術後の患者が多く入室するICUで行っている。学生は,生命の危機状態のために治療や処置を早急に必要とする患者や多くの医療機器に囲まれた患者を目の前にし,驚き,そこに目を奪われることも多い。そのような環境下において,看護師が実践している看護を感じとれているのかどうか,疑問を抱いたことから本研究に取り組んだ。
救命救急やICUにおける実習では,学生が病棟実習のように直接的に看護実践を行うことは難しい。そのため,見学実習という形をとることが多い。短時間で学生が看護師の実践している看護をいかに感じとれるかが課題である。そのため,学生が看護を学んだ場面を分析することとした。学習した場面が明らかになれば,実習中に同様の場面を設定することや説明を追加することにより,学習内容を一定のレベルで確保できると考えた。学生が日々記入している見学実習記録からクリティカルケア看護の独自性を捉えている記述に着目し,どのような場面から独自性について考察したかがわかるように抽出した。クリティカルケア看護の独自性は,文献を参考に9項目を定義した。場面の類似性に基づいてまとめ,ネーミングをした。その後,場面から学べたクリティカルケア看護の独自性について明かにした。
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