研究活動推進委員会資料
査読を受けた立場から
渡辺 みどり
1
Midori Watanabe
1
1山梨大学大学院医学工学総合研究部医学部看護学科
pp.105-107
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
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- 文献概要
私にはわずかの査読を受けた体験しかないが,失敗や苦慮した体験を情報提供したく思う.一例として,受け止めていただきたい.私は,日本老年看護学会誌2001年のVol.6,資料に「介護老人保健施設の看護管理者の役割認識と看護実践に関する研究」というタイトルで投稿した.
最初に投稿論文の概要を説明したい.この研究は介護老人保健施設の看護管理者の役割認識と施設の看護実践が,施設の属性,人員配置,看護管理者の管理経験年数によってどのように異なるのかを明らかにする目的で行ったものである.Y県内の老人保健施設調査に基づいて作成した調査項目「入所者の健康を維持・向上するための援助」「治療の管理」「家族への援助」「施設内他職種との連携」「施設外他職種との連携」の5分類の看護活動計51項目について,無作為抽出した1,000施設の看護管理する立場にある者を対象に調査を依頼した.結果は,看護管理経験年数3年以上の看護管理者に,入所者の痴呆の改善・進行の予防,療養生活環境の把握,施設外他職種と連携して看護実践していると回答した者が有意に多く,看護職員に占める看護婦の割合が40%以上の施設の看護管理者は,入所者の家庭復帰,セルフケア能力の向上,抑制廃止に向け看護実践していると回答した者が有意に多かった.施設の設置主体が公共性を有する施設の看護管理者は他の施設よりも施設外他職種との連携を実践していると回答した者が有意に多かった.病院,在宅介護支援センター,訪問看護ステーションを併設している施設の看護管理者は単独型施設の者よりも施設外他職種と連携しているとした者が多かった.
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