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はじめに
2013(平成25)年6月に提示された日本看護学校協議会の「看護師等養成所の管理・運営等に関する実態調査報告書」による2012(平成24)年の受験動向をみると,専門学校全課程の43.3%が受験生は減少傾向にあると回答している。そのうち課程別の傾向では,3年課程においては増加傾向が43.2%,減少傾向39.3%とわずかに増加傾向が上回っている。
受験生の層の広がりを示す指標としては,受験生のうち大学および短大卒業者の占める割合が増加傾向にあり,入学生のなかに社会人経験者の占める割合は39.1%,大学あるいは短大,専修学校を卒業者の割合も25.4%となっている。その結果,在籍者に社会人経験者が占める割合は全課程平均で40.5%となっている(表1~4)。
超高齢社会を迎え,健康で自立した生活の維持に対する人々の願いが高まるなか,看護職者に求められる役割はますます大きくなっている。また非正規雇用の増加傾向のなかで,看護職は雇用が確実で経済的に自立できる職種としても魅力あるものになっている。そのため,高校新卒者だけでなく,一定の就業体験の後にあらためて看護職を目指す社会人など,受験生の多様化に対応して,社会人入試制度を導入している専門学校は多く,3年課程では67.0%が実施している(表5)。
志望校の選択から面接指導に至るまで,手厚い進路指導を受けて受験する高校新卒者,仕事の傍らに予備校に通うなど,並々ならない努力をして受験に臨んでくる社会人などの受験者から,いかにして学生を選抜するのかは,学校の教育活動全体に関わる重要な課題である。本校の求める学生と,受験生確保に対する取り組みについて述べる。
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