連載 ひろがる災害医療と看護 身につけるべき知識とスキル・10
災害時における在宅看護―東日本大震災の現場から
村上 悦子
1
1宮城県保健福祉部健康増進課
pp.652-657
発行日 2014年7月25日
Published Date 2014/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102763
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はじめに
気仙沼市は,宮城県の北東端に位置し,東は太平洋に面し,南は宮城県本吉郡南三陸町,西は岩手県一関市および宮城県登米市,北は岩手県陸前高田市に接している。
2011(平成23)年3月11日14時46分,マグニチュード9.0の巨大地震があり,いつもより揺れが大きく,時間は長く天井が落ちてこないか不安な状況であった。地震が治まり,ほっとしたのも束の間,「10mの津波が来る」という避難警告アナウンスがあって,市役所裏の高台に避難した。市役所前の幹線道路伝いに黒い海水の津波とともに車や瓦礫が押し寄せ,筆者の職場であった地域包括支援センターは水没し,庁用車も流出した。
そのような状況のなかから,どのように在宅ケアや看護が必要な方々への対応を行っていったかという気仙沼市の取り組みについて報告する。
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