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はじめに
本年3月11日に発災した東日本大震災において被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げ、1日も早い復興をお祈りいたします。
国の内外で大きな災害が頻発している昨今、災害看護の技術向上や支援システムの構築とともに、災害看護活動に求められる倫理や被災者の人権についても重要視されている。災害時の看護は、被災者の人間としての基本的人権が危機状況にある時、看護者一人ひとりがどのような倫理観を持って被災者に向き合い、行動化していくかが問われる。
そこで、本大会のテーマを、「災害看護の原点にたち未来を拓く〜私たちは何のために、どのように在り、どこに向かうか」とし、ポール・ゴーギャンの絵画「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」を本大会のシンボルにした。筆者の解釈ではあるが、この絵は、人間そのものの存在を問うているのではないかと思う。そこで、災害看護の本質を問い、有り様を考える学会としたい意味をこの絵に託した。
実は、このテーマは東日本大震災の前に設定し、学会の準備を進めていたが、学会開催の約6ヶ月前に発災し、一時、学会開催そのものも危ぶまれたが、このような時こそ開催の意義が深いと開催に至った。
当震災は、これまでにない甚大な被害に医療従事者のみならず、多くの人々が被災者・被災地に心を寄せて、様々な救援活動が展開された。活動の評価により、様々な課題が明らかになり、改善へと向かうことを期待する。
そして、今一度、われわれは、「何のために災害看護を行うのか」再認識し、どのような拠り所を持って行動するのか考えたい。実際の活動を倫理的視点で振り返り、何を目指しているのかこの機会に改めて洞察したい。
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