特集 ピアの力を信じよう 学生同士で教え合うしくみの活用
教え・学び合う『課題学習法』を活用したピア・ラーニング―小児看護方法論の取り組みと評価
金城 やす子
1
1名桜大学人間健康学部看護学科
pp.382-389
発行日 2014年5月25日
Published Date 2014/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102696
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学生主体の学びを基本コンセプトとする「参画型看護教育」
名桜大学人間健康学部看護学科は,2007(平成19)年の開設以来,学生が学びの主体となる教育の場づくりを掲げて,「参画型看護教育」を実践してきた。参画型看護教育については,金城が取り組みの実際1)について,また大城が理念や方法2)を紹介しているが,具体的な内容は,(1)1年次において学習者としての基本的な心構えや学習方法,協働的探究の基本的技法について体得する,(2)自己の目標を明確にし,話し合いを通して行動計画を立案・実行する,(3)先学者が後学者への指導を通して経験の伝承をするとともに,自己の学習目標を明確にし,学習計画を策定していくことである。方法はコーチング理論に基づいてグループダイナミクスを活用し,個々の学生の主体的な行動を促し,論理的,批判的な視点での学びを習得することである。そのためには教員の効果的なかかわりとして学生同士が学び合う,ピア・ラーニングの場づくりが重要となってくる。
文部科学省が学士力としてあげている課題解決力,チームワーク力,さらに社会人基礎力としてあげているチームで働く力,考え抜く力などは,参画型看護教育の理念と一致するものであり,学生自らが学ぶ主体として取り組む教育の重要性が指摘されていることになる。文部科学省は学士力を示す一方,教員が積極的に教授法を工夫する必要性を説いている。そこで本稿では,学生が自らの学びを深め,さらに教育・指導にかかわる力を醸成する方法として,学生が学生に授業を行う,学生同士が学び合う「課題学習法」の授業形態を,小児看護学を例として紹介する。
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