特集 行動変容プログラムを用いた透析患者のセルフケア支援
ピア・ラーニング法を用いた援助の検討―セルフケアの自己効力感と意欲の向上を促すために
坂下 かおり
1
,
塩田 直美
1
,
鹿田 千恵美
1
,
塩谷 由希子
1
,
佐藤 廣行
1
,
山岡 早苗
1
,
岡 美智代
2
1聖フランシスコ病院透析室
2北里大学看護学部
pp.590-595
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100145
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
長期にわたり治療を必要とする慢性疾患患者にとって,セルフケアを行なうことは最も重要である.セルフケアとは,健康で幸福な生活を維持するために,患者自身が日常生活の中で行なう治療である.しかし,透析患者に必要とされる食事管理,水分管理などは,長期にわたり習慣化された行動の見直しを迫るものであり,行動変容を起こすことは容易ではない.セルフケア行動に変化をもたらすためには,知識の提供だけではなく,本人自らの意欲を高められるような援助やアドバイスが必要とされている.
聖フランシスコ病院(以下,当院)においても,患者教育は行なっているが,自己管理が良好な患者ばかりとはいえない.
本稿では,自己管理の成否を左右する自己効力感と意欲の向上を促すために,セルフケア行動変容プログラムの1技法であるピア・ラーニング法1)を用いた指導のあり方について検討したので,報告する.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.