連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・52
臨地実習への新たな取り組み
喜吉 紘子
1
1ミシガン大学看護学部
pp.790-791
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102499
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【主な論文】「教育専門病棟:アメリカで再現されたイノベーション実践」から
臨地実習は看護教育においてなくてはならないものです。それと同時に,言うまでもなく学生にとっては楽しみでも恐ろしくもあり,学校側にとっては悩みの種であることが多く,看護師にとっては負担感の強いものです。さらには,看護教員不足,教育機関と臨床実践現場の関係性の欠落という問題もあるかもしれません。このような現状において,臨地実習への新たな取り組みは重要な課題です。
教育専門病棟(DEU:Dedicated Education Unit)は,現代の臨地実習を取り巻く課題の対策として,アメリカで注目されています。DEUとは教育専門病棟で,簡単には,実習体制が十分に整っている病棟と言えます。例えば,看護師たちは学生受け入れのための教育・準備を受けており,病棟全体が学生の学びに積極的に関わっているような状態です。もともとオーストラリアのFlinders Universityで発祥し,アメリカではUniversity of Portlandという,比較的に規模の小さい私立のキリスト教系の大学で取り入れられました。
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