連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・32
新人教員の視点から―メディア技術の利用と学部臨地実習教育
喜吉 紘子
1
1ミシガン大学看護学部
pp.1052-1053
発行日 2011年12月25日
Published Date 2011/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101955
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●【主な論文】「看護学生のビデオゲームと関連するメディア技術に対する態度」について
今回は新しく教員として就職したミシガン大学からの文献を取り上げたいと思います。この論文ではまず,新しいメディア技術の長所と短所が紹介されていました。例えばシミュレーションは,知識の取得,クリティカル・シンキング,そして,学生の学習に対する満足度の向上に貢献しているとの報告があるそうです。また,専門職性や医療安全の教育においても,臨床現場の疑似体験ができることで効果的とされています。一方で,シミュレーションは教員の時間を多く必要とし,また複雑な臨床論理思考の取得にはまだ結びついていないようです。
この研究は,ミレニアム世代と呼ばれる看護学生の,ビデオゲームや新しいメディアを用いた看護教育の導入に対する態度の横断的調査で,ウェブサイトを利用したアンケート手法が用いられました。30項の質問があり,回答は4段階のライカート・スケールでした。結果,2大学から218人の学部生と大学院生が参加し,多くの学生は新しいメディア技術の看護教育での利用を推奨するとのことでした。
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