第2特集 看護学生論文─入選エッセイ・論文の発表
論文部門
人工肛門造設に伴う身体機能変化を受容し自己管理を目指す関わり―コーンの危機・障害受容モデルを用いた受容過程の考察
澤井 孝太
1
1奈良県立奈良病院附属看護専門学校3年
pp.718-721
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102482
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はじめに
私は学内の講義で人工肛門(以下,ストーマ)について学んだ際,そのボディイメージの変化に衝撃を受けた。患者はストーマ造設に伴い身体的変化や予後について不安を感じながらも,ストーマ造設という障害を受け入れて生活していく必要がある。障害の受容とは,障害をともなった患者が自らの障害の存在を認め,自己の能力の限界を現実的に認識し,なおかつ積極的に生きぬく態度をもつことである1)。
今回私は,人工肛門造設術を受けた70歳代の女性を受け持った。患者はストーマの自己管理に対して戸惑いを感じており,自己管理が進まなかった。自己管理が進まない状況が続くと,退院後もストーマ造設という障害を受け入れて生活していくことは難しい。そこで患者がストーマ造設という障害を受容し,自己管理に対して自信がもてることを目的にパンフレットを作成した。そして,自作のストーマ模型(写真)を使用して患者に指導を行い,患者の反応や変化を観察した。その結果をコーンの危機・障害受容モデルを用いて考察する。
なお,この研究論文をまとめ発表するにあたり,臨床指導者を通して患者と家族に口頭および文章にて説明し承諾を得ている。
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