研究・調査・報告
子どもの障害を受容したきっかけと受容過程
多田 美奈
1
,
松尾 壽子
2
,
山内 葉月
3
1大分医科大学看護学科大学院
2大分医科大学看護学科
3山口大学医療技術短期大学部
pp.346-351
発行日 2001年4月25日
Published Date 2001/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902631
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はじめに
子どもに障害があるとわかった親が,子どもの障害を受け止め,わが子とともに生きていこうという気持ちになるまでには,ある程度の年月を要する。母親が子どもを受容していく過程に関する研究では,障害があると診断された後に起こる母親の感情反応を分析した研究1,2)や,母親の心理的変容過程の段階を示した研究1)などがある。全ての母親が同じプロセスをたどり,受容の段階に達するのではない。また,日常の育児の中で様々な問題に直面し,児を受容することに困難が生じることもある。
母親が,子どもに障害があることを受容できず,その人らしく生きていくことが妨げられているとすれば,そこに何らかの支援が必要になってくる。現在,母親に対して看護職の専門的な援助の必要性が指摘されてはいるが,具体的な援助内容が明らかにされているとは言えない。母親を支援していくためには,まず,私たちは母親の受容過程を知ることが必要である。
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