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書評 ―『看護サービス管理 第4版』―看護活動の内部の変化に目を向けての改版で,より幅広い読者に対応
林 千冬
1
1神戸市看護大学
pp.567
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102437
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基礎教育の学生から看護管理者に至るまで,コンパクトながら幅広い層に対応する,言い換えれば長く使える良書の第4版である。
「第4版の序」によれば,今回の改訂では主として「看護活動の内部の変化に目を向けた見直し」が図られたといい,新たに4つの内容が追加されている。「第2章 看護サービス管理の基礎」に追加された「医療におけるコミュニケーション」(手塚千鶴子)は,「医療において連携する多様な専門職の人とのコミュニケーションは,異文化コミュニケーション」だと位置づけ,そこからコンフリクト対処とそのためのアサーティブ・コミュニケーションの必要性につないでいく流れが明快である。「第4章 日本の医療と看護サービス提供システム」には「在宅看護におけるマネジメント」(山田雅子)と「看護提供の組織システムのデザイン」(小池智子)が加えられた。「在宅看護におけるマネジメント」は,訪問看護の側については事業所の開設からマーケティングに至るまで,病院施設の側については退院支援・退院調整のあり方,そして全体を貫く地域医療連携の課題といったように,今日の重要課題である在宅介護をめぐる課題が短い項に見事に圧縮されている。
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