明日の検査技師に望む 病理学の分野から
幅広い知識と技術の習得を
若狭 治毅
1
1福島県立医科大学第一病理学講座
pp.1412
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205216
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今日の医療を支える柱の一つに臨床検査が挙げられることには,誰も異論がないものと思う.その進歩はまさに日進月歩で,2〜3年前に研究テーマであったものが,今日では検査の中に取り上げられている.特殊検査もどんどんルーチン化し,しかも,その多くは自動化されてきており,特に,生化学を中心とする検査項目の自動化には目を見張らせるものがある.その結果,検査技師は検査を器械まかせにしてしまい,検査機器の番人になってしまう危険がある.したがって,検査技師は病気に対する知識と検査データに対する理解を深める必要がある.すなわち,対象とした患者にとって,そのデータが妥当なものか否か,常に細心の注意を払うことである.日常の忙しさと作業に流されることのないよう,検査技師としての責任を持ち続けることが必要である.
次に,与えられたテーマである「病理学の分野における検査技師に何を望むか」について考えてみたい.
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