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書評―『ベナー看護ケアの臨床知 行動しつつ考えること 第2版』―すでに知っていたが,表現したことがなかったことを言葉にする
迫田 綾子
1
1日本赤十字広島看護大学
pp.313
発行日 2013年4月25日
Published Date 2013/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102368
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本書は,日本での初版から8年を経て出版されたものである。満開の桜色の表紙は,清楚で明るくてすぐに開きたくなる。誘われるようにページをめくると,インタビュアーにより看護実践が紹介されている。本書の意図は,「自分はすでに知っていたが,表現したことがなかったことを言葉にした」のを感じてもらうことだという。
実際看護師は,言葉以上に多くのことを知っている。看護を積み重ねることで経験することは多く,随所に宝が埋蔵されているはずである。しかし,残念ながら私も含めて多くの実践者は,貴重な看護経験を言葉にして広く伝える方法や機会をもってこなかった。本書は,看護の隠れていたものを見えるように示し,行動し考えることと推移を見通すことで,手の届かないものを手に入れる看護への示唆が散りばめられている。それゆえに本書は925ページという大作ながら,繰り広げられる豊かな看護実践に深い感動を覚えながら読み進めることができた。
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