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書評―『APAに学ぶ看護系論文執筆のルール』―APAのエッセンスを押さえた日本語論文執筆マニュアル
朝倉 京子
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1東北大学大学院医学系研究科保健学専攻
pp.305
発行日 2013年4月25日
Published Date 2013/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102366
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本書は,アメリカ心理学会(APA:American Psychological Association)の論文執筆マニュアル(Publication Manual)の考え方をベースにして書かれた日本語論文執筆マニュアルと言ってよいだろう。著者である前田氏と江藤氏は,APAのPublication Manual第二版の翻訳者でもあるので,本書はAPAのエッセンスを押さえつつ,日本の看護学術界の状況をふまえた論文執筆のガイドとなっている。APAのエッセンスを押さえてあるので,英語論文の執筆にも役に立つのが魅力だ。
論文を書くのは常に大仕事である。大量の文献を読み,説得力をもってデータを示し,制限字数のなかで一貫性を保ちつつ論理的に展開するのは誰にとっても大変な作業だ。こういった大仕事と並行して,細かい字で書かれた分厚い論文執筆マニュアルを読むのを苦痛に感じる人は多いのではないかと思う。実は,私自身がそうである。APAのマニュアル最新版(英語)は購入しているが,なかなかマニュアルを読み解く気力がおきないまま本棚に並んでいる。APAマニュアルを読む必要性は知っているが,実はきちんと読んだことがないという私のような方々は,多数いらっしゃるのではないかと想像する。そういう方々にとっては,この本の出版はまさに福音である。
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