特集 基礎看護学を再構成する・1 看護の「基礎」とは何か?
在宅看護は基礎? それとも統合?
本田 彰子
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1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科在宅ケア看護学
pp.32-33
発行日 2013年1月25日
Published Date 2013/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102289
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現在,保健師助産師看護師養成所指定規則の看護師養成カリキュラムにおいて,在宅看護に関連する科目は統合領域に位置づけられている。私はこのカリキュラム改正時の厚生労働省の検討委員会のワーキングのメンバーであったが,在宅看護の教育は,看護の土台をつくる基礎分野と,学習した領域別の学びをまとめる統合分野の2つに置かれるという位置づけも,検討された経緯があったと記憶する。最終的には,統合分野に位置づけられ,在宅看護はそれぞれの専門領域を統合されたものであると理解して,養成機関の教員は教育にあたっているのが現状である。
看護教育機関の教員には,自らの実践経験が在宅看護,訪問看護であったものは少ないであろう。実践経験をもとにした看護の実際を学生に伝えたいと思っている教員にとっては,在宅看護に関連する科目が統合分野に位置づけられることで,多少負担感は少なかったのではないかと思う。しかし,専門領域に位置づけられると,その科目担当は訪問看護等の経験のある教員が望ましいと考えるのが自然で,その結果,教育内容が増えることになり,各専門領域それぞれの教員を配置できない専門学校においては,対応に戸惑いが強くなるだろう。
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