特集 基礎看護学を再構成する・1 看護の「基礎」とは何か?
基礎看護学は誰が何を教授するのか?
川口 孝泰
1
1筑波大学医学医療系保健医療学域
pp.12-17
発行日 2013年1月25日
Published Date 2013/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102285
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
基礎看護学の担当教員として一番つらいのは,専門領域の学習に入った学生たちが「基礎で何を教わってきたの?」と教員から言われたことを耳にするとき,または同僚の先生から「まったく! 基礎の先生たちは何を教えているのかしら!?」などの,ぼやきを間接的・直接的に聞くときである。このようなことは,基礎看護学を担当している教員なら,きっと筆者だけではなくて,誰もが体験していることであろう。
そもそも,なぜこのような事態になってしまうのか。どのような教育をしたら,専門領域の先生たちの期待に応えることができるのか,あるいは,基礎看護学で何を学んでいてほしいのか。文字通り「基礎看護学」は,看護学を学ぶための基礎を構築する分野(Fundamentals of Nursing)なのだが……。
そこで本稿では,まず看護学とそれを取り巻く学問領域を俯瞰しつつ,看護学教育における基礎看護学の学問的な位置づけと教育の在り方の私見をまとめてみたい。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.