特集 コミュニケーション力を育む─実習前に教員としてできること
専門看護師に聞く─領域ごとに求められるコミュニケーション力
精神看護
河野 佐代子
1
1慶應義塾大学病院
pp.860-862
発行日 2012年10月25日
Published Date 2012/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102212
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臨地実習で学生の指導を担当するのは実習指導者ですが,その彼女ら・彼らに対して専門分野の臨床教育を行っているのが専門看護師です。本稿では,臨床現場および実習指導の全体に精通した各領域の専門看護師の皆さんに,「自分が学生に教えるなら」という視点からコミュニケーション教育のヒントをいただきました。
学生が実習に来ると,「患者さんとどんなことを話したらいいかわからない」ということばをよく聞く。精神看護実習では,他の実習と異なり検査や治療に関する話題よりも,患者との日常的な会話が求められる。精神看護実習は,コミュニケーションの難しさを経験することが多く,学生にとって戸惑いを生じさせる経験でもあると思う。
しかし,私は,患者とのコミュニケーションは,話をすることだけではなく,むしろ患者の行動をよく観察することが重要であると考える。患者の行動の意味・行動に伴う影響について考えていけば,患者に尋ねる内容も決まり,かけることばもわかる。そして,最終的に患者に提供する看護が明確になると考えている。では,実際に,看護師が患者とどのようなコミュニケーションをとっているのか,例を挙げて考えてみたい。
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