特集 精神科看護・Ⅰ
精神保健法と精神科看護
桜庭 繁
1
1千葉大学看護学部
pp.392-400
発行日 1989年7月25日
Published Date 1989/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908669
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精神保健法の意味するもの
精神衛生法から精神保健法へ
1987年10月精神衛生法が大幅に改正され,名称も精神保健法と変え,1988年7月から施行されている.この改正に至った背景については,すでに多くのマスコミ等で広く報道され,医療従事者だけではなく社会的にも関心を集めただけに,多くの人の知るところである.
これだけ関心を集めた問題は,国際的な関心へと大きく波及していった.そこではこの問題の根底に,日本の精神衛生行政そのものが「国際人権規約」や「世界人権宣言」に違反しているところにあるとして糾弾され,政府自体,人権面での政策の遅れを認めることとなった.その結果,「日本における精神障害者の人権と処遇に関する国際法律家委員会(IJC)及び国際医療従事者委員会(ICHP)合同調査委員会」の勧告を受け入れる形で,その根幹である精神衛生法の改正を約束することとなった.
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