資料 第101回看護師国家試験 解説
第101回看護師国家試験問題の考察―必修問題を中心に
畑尾 正彦
1
1日本赤十字秋田看護大学
pp.584-587
発行日 2012年7月25日
Published Date 2012/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102127
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はじめに
第101回看護師国家試験について,午前問題1~25と午後問題1~25および「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」に位置づけられる問題から筆者が選択した午前・午後のそれぞれ10問題の合計70問題を,第101回看護師国家試験を受験したY看護学校の学生38名の協力を得て,修正イーベル法を活用して考察した所感を述べたい。
修正イーベル法は,本来はテストの合格水準(合否分割点)を合理的に算出する方法であるが,客観テスト(多肢選択型)を構成する個々の小問について必要度と難易度を判定することから,小問の一つひとつについて適否判定に利用することができる。
すべての看護師にとって特に重要な基本的事項は,あまりにも簡単になりすぎるために出題が控えられてきたことに対応して,“必修問題”が出題されるようになって9回目である。必修問題は必要度が必須で難易度が平易,すなわち必要度難易度指数(Relevance Difficulty Index : RDI)が限りなく0.8に近い判定になるはずのものである。
今回の調査において,看護学生(受験者)の判定でRDIが0.8だった問題は1題もなかった。0.75以上だったのは午前の問題1,8,10,11,17,19,20,21,22,25(表1)および午後の問題3,4,11,14,20,21,22,24(表2)であった。一方,RDIが0.65未満だったのは,必修問題と考えられる午前問題5,9,12,13と午後問題17(表1,2)ならびに一般問題の午前問題28,33と午後問題30,31,32,33,40である(表3)。
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