資料 第100回看護師国家試験 解説
第100回看護師国家試験問題の考察―必修問題を中心に
畑尾 正彦
1
1日本赤十字秋田看護大学
pp.540-543
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101804
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はじめに
第100回看護師国家試験について,午前問題1~25と午後問題1~25および「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」に位置づけられる問題から,筆者が選択した午前・午後のそれぞれ14問題・12問題の合計76問題を,A看護大学の教員13名の協力を得て,修正イーベル法を活用して考察し,教育的見地から述べたい。
修正イーベル法は,本来はテストの合格水準(合否分割点)を合理的に算出する方法であるが,テスト全体を構成する個々の小問について必要度と難易度を判定することから,看護師国家試験問題としての適否判定に利用することができる。
すべての看護師にとって特に重要な基本的事項は,あまりにも簡単になりすぎるために出題が控えられてきた。これに対応して,“必修問題”が出題されるようになって8回目である。必修問題は必要度が必須で難易度が平易,すなわち必要度難易度指数(Relevance Difficulty Index RDI)が限りなく0.8に近い判定になるはずのものである。
今回の調査において,看護教員の判定でRDIが0.8だった問題は1題もなかった。0.75以上だったのは午前の問題12,13および午後の問題5,6,10,19,20であった。一方,RDIが0.6未満だったのは,必修問題と考えられる午前の問題4と問題5ならびに一般問題の午前の問題26,27,28,29,30と午後の問題26,28,31である(表)。
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