憧鉄雑感
第101回 インバウンドと自由診療
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック
pp.1367-1367
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002142
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新型コロナウイルスの台頭により我がクリニックの外国人患者も激減した感がある。以前は,札幌もご多分に漏れずインバウンド観光客が大挙して押し寄せ,近くの商店街には免税を掲げるドラッグストアが軒を並べていた。その前ではもはや日本語を聞くことは困難で,中国語や韓国語が飛び交っていた。なんでも,安値を誇るドラッグストアで土産はもちろん,日本製の質の高い薬剤や化粧品を文字通り爆買いしていくようであった。その余波を受けてか,外国人患者の質も変化し,異国で皮膚疾患に困って受診するのではなく,日本の質の高い外用薬を求めて来院する方が多数を占めた。概ね,保湿薬や抗真菌薬を欲する。保険診療であれば当然無闇に処方することはできないが,保険を使わない自由診療であり,筆者もそれならば……と応じていた。これは新型コロナ禍以前の話である。
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