特集 地域看護学と公衆衛生看護学 Part2 保健師学生が学ぶ公衆衛生看護学再考
保健師学生が学ぶ公衆衛生看護学とは
佐伯 和子
1
1北海道大学大学院保健科学研究院
pp.452-458
発行日 2012年6月25日
Published Date 2012/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102094
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はじめに
保健師教育課程はこの20年間で大きく変貌した。看護系大学は1991(平成3)年に11校であったが,1992(平成4)年以降開設が急増した。大学では保健師看護師の統合化されたカリキュラムで教育が行われ,保健師国家試験合格者の95%が大学卒業者となった。統合化されたカリキュラムの問題点として,卒業時の到達度が低いこと,保健師としてのアイデンティティが育っていないこと,大学の急増による実習施設の不足等が明らかにされてきた1,2)。
このような背景のもと,2011(平成23)年に保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下,指定規則)が改正され,保健師教育課程の中核となる科目名が地域看護学から公衆衛生看護学となった。また,2012(平成24)年度から203看護系大学のうち189大学192課程が保健師教育を行い,160課程が選択制となる。保健師教育課程は看護師教育課程の横出し型(選択制)もしくは大学院や専攻科での積み上げ型へと変化している。看護師教育課程から独立した教育課程となることで,実践力を備えた人材の育成が期待できる。
保健師の活動の特性を踏まえて,保健師学生が学ぶ公衆衛生看護学とは何か,看護師教育課程から保健師教育課程への連動を考えたい。
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