特集 學校保健衛生(2)
学校保健と公衆衛生
宮坂 忠夫
1,2
1厚生省公衆衛生局保健所課
2東京大学教育学部
pp.13-17
発行日 1956年4月15日
Published Date 1956/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201665
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〔I〕
「発疹チフスはしらみから」というスローガンが巾を利かせていた数年前,まだ占領下にあつた時代のことですが,こんなしらみ議論がまじめに行われたことがありました。
この間進駐軍の人が学校に来て,たまたま子どもの頭にしらみをみつけたので大さわぎになつた。おかげで,こんな非衞生では,と大目玉を頂戴し,しらみがいるとどんな病気になるかなどと試験をされたあげく,数日中にまた来るから,それまでに全部しらみ退治をしておけ,と云つて帰つて行つた。そこでやつとのことでDDTをさがし,子どもの頭にまいて退治したのはよかつたが,一時居なくなると思うとまた出て来てキリがないよくよく考えてみると,これは子どもの家庭にしらみがいるからで,これではいくらたつても退治できる筈がない,保健所がしつかりしてないから学校まで迷惑する。このようなことが学校の方から云われました。
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