特別記事
授業案検討 基礎看護学において“ホリスティックケア”の何を教えるか―知識を融合させること,心で触れることを大切に
諸橋 由美子
1
,
松井 美子
2
,
西原 由美子
3
1東京都立荏原看護専門学校
2東京都立板橋看護専門学校
3東京都立広尾看護専門学校
pp.759-765
発行日 2011年9月25日
Published Date 2011/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101869
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はじめに
マッサージやツボ押し,アロマセラピーなどのホリスティックケアは,「ストレスや苦痛の緩和,安寧に役立つ」1)といわれている。また,近年では,自律神経系に作用するなどの科学的な実証もなされてきており,看護のなかに広く取り入れられるようになってきた。
そのようなホリスティックケアを,東京都立看護専門学校(以下,都立看学)では基礎看護学の「看護の基本となる技術III」において教授している。しかし,「基礎看護学として何をどのように教授したらいいのか悩んでいる」「人体について学びの深まっていない1年次生にホリスティックケアを教授するのは難しい」「他の看護学でホリスティックケアを教授しているから,基礎看護学で教授する必要はない……という見解もある」と,教授にあたっての戸惑いの声があった。
そこで,都立看学7校の2010(平成22)年度基礎看護学の授業研究では,ホリスティックケアについての授業内容の精選と,授業方法の構築を目的として検討を重ねた。そして,でき上がった授業案をもとにA校で公開模擬授業を行った。
公開模擬授業を受けた学生や参観者の感想から,基礎看護学では「看護としてのホリスティックケアの基本」を教授することが重要であるとわかった。また,基礎看護学で教授した基本的な知識と技術を基盤にして,各看護学のホリスティックケア関連科目につなげていけるような体制作りの必要性も感じた。
公開模擬授業の授業案と今後の課題等を報告する。
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