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新人看護師の離職要因として,看護基礎教育と臨床現場の乖離によるリアリティショックが指摘され,その対応として2010年度に厚生労働省が新人看護師研修制度を義務化した。また,看護基礎教育においても臨床現場との乖離が少ない看護実践能力の修得が課題とされ,教育方法・教育内容の改善が求められている。改善に向けた取り組みとして渡邉ら1)は,学内で行う筋肉内注射の看護技術チェックへの実習指導者の参加,横井ら2)は,成人看護学実習直前の看護技術チェックに担当実習指導者の参加を得て行っていることを報告している。また,前中ら3)は,実習指導者研修を終了した副看護師長および実習指導者と基礎看護技術の指導案作成から実施後の評価までの一連を教員と共に実施していることを報告している。その他にも臨地実習指導者との連携におけるユニフィケーションシステムの導入や共同授業等の取り組みについても報告されている4), 5)。しかし,新人看護師の看護技術教育担当看護師が看護基礎教育の看護技術の指導に参加し,その効果を検討した報告はほとんどない。
岐阜大学医学部看護学科基礎看護学講座(以下,当講座とする)では,教育と臨床の乖離を少なくすることを目的に,2年前から岐阜大学医学部附属病院看護部(以下,当看護部とする)が企画している新人看護師の看護技術教育担当者の養成研修会に協働参加している。昨2010年度からは,さらに教育と臨床の乖離を少なくすること,看護技術に関する教育内容・教育方法の理解,学生気質の理解,臨地実習指導者としての指導能力向上を目的に,新人看護師の看護技術教育担当者と教育担当副看護師長(以下,臨床看護師とする)が当講座の基礎看護技術の演習で教員と協働で学生指導を行った。今回,基礎看護技術の演習に参加した臨床看護師ヘのアンケート結果および学生の感想より,臨床看護師との協働による看護技術指導の評価を行ったので報告する。
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