第2特集 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
論文部門
その人の家で,その人らしく生きるための支援―家族介護の尊重と地域の歴史を視野に入れた看護
松本 裕美子
1
1ソワニエ看護専門学校
pp.674-677
発行日 2011年8月25日
Published Date 2011/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101849
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はじめに
「在宅療養の利点は,家族や社会との関わりを保ちながら自分のペースで生活できることにあった。したがって看護者は,これらの利点がどの療養者と家族にも活かされるように,相手の望む生き方,暮らし方を徹底して支えつづけなければならない」1)と渡辺は述べている。
今回看護師と共に訪問したK氏は,アルツハイマー病の発症・進行によって発語はなく,終日臥床状態となってから15年以上が経過し,入退院を繰り返しながら妻の介護で自宅療養をされている。私が訪問したのは5日間の実習のうちたった1日ではあったが,K氏と妻の思いが尊重され,住み慣れた自宅で安心した生活を送るための訪問看護の役割について学ぶことが多く,看護の素晴らしさを実感したので,この事例を振り返り,学びを深めていきたい。
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