連載 臨床判断能力の育成! 実践的な思考を促す事例づくり試案・5
「その人らしさ」を尊重した看護を考える問題
奥 裕美
1
,
畠山 有希
2
1聖路加国際大学大学院看護学研究科
2聖路加国際病院
pp.622-630
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201994
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本連載も第5回目を迎えた。アメリカの看護師国家試験(NCLEX-RN®)において2023年より始まる「単純な正解/不正解の二分法で問う試験」とは違う、臨床の「文脈」を重視した臨床判断力を評価できるような事例を、自分たちでもつくってみよう、またその過程で、コンピュータを使って行う試験(NCLEX-RN®は日本のように紙ではなく、コンピュータを使って行われる)で可能となる新たな出題、解答方法を紹介しよう、という試みに、みなさんにお付き合いいただいている。
今回は、ボウタイ(Bow-Tie)問題(詳細については連載第3回を参照)と、ケーススタディを組み合わせた問題を紹介する。まずボウタイ問題部分では、出勤し、患者の部屋に行く前にカルテを見て、「何が起きているか」「何をしたらよいか」の当たりをつける看護師の思考の状況が表現されている。その後患者に会い、ケアを提供して起きる事象が「展開する事例」の形で示されるケーススタディとしている。
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