特集 介護保険制度の特質と論点
人間性を尊重した介護を保障するために
山田 兼三
pp.318-322
発行日 1997年5月15日
Published Date 1997/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901686
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高齢化社会を迎えて,介護を公的に保障する制度の確立が緊急に必要な課題となっている.しかし,現在国会に提出されている政府の介護保険法案には,多くの問題点がある.早急な制度化が求められるが,あわせて,十分な検討も必要である.なかでも,市町村が,公的介護事業と介護保険の業務を担って,直接住民に責任を負うためには,解決すべき課題が多い.
筆者は,3年前に,デンマークとスウェーデンを訪問し,短い日数の視察であったが,基本的人権の尊重の立場に立った老人福祉の先進的施策の実態を目の当たりに見せていただいた.その時,最も大切に思ったことは,介護を受ける老人の人権を尊重し,本人の意志と人間性を最大限尊重していくことが必要であるということであった.
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