特集 模擬患者を取り入れた教育を見直す Part 2 模擬患者をどのように活かすか
専門学校における模擬患者導入の実際―ボランティアの力を借りて
大東 佐枝美
1
1原看護専門学校
pp.601-605
発行日 2011年8月25日
Published Date 2011/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101823
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はじめに
本校は,福岡市の東区に位置する団地のなかに36年前の看護師の需要が高まった時代に設立された学校法人が設置主体で,理事長は多方面で経営的センスを発揮する教育者である。
常に時代の移り変わりを把握し,それにあった医療・介護を提供するため,職員の教育に力を注いでおり,その一環として看護学校の設立に至った。
教育理念は「博愛」で,どんなときにも困っておられる方に対して手を差し伸べ,学生にもマネジメント力と計画性を意識しながら教育を行っている。さらに,自由な校風のなかに自主性,協調性,積極性を指導方針として,人間力をベースにした人間形成を主眼としている。
世の中の動きに合わせて常に新しいものをとらえていく力を育むうえで,看護教員による解剖生理学の教授,関連図を使ったアセスメント全体像の構築,模擬患者(以下,SP)を活用した授業展開,自主的に取り組む国家試験対策などを20年前から行っている。
保健師助産師看護師法には時代に合わせた変化は少ないが,看護師の就業で一番多い病院の変化は著しい。その変化に沿って病床管理していくことも看護の役割であるため,看護の専門性に加えて病院機能の変化に対応できる(他職種との連携もできる)看護師育成は必須である。
さらに,看護師に求める力も多方面にわたり,現在の教育において学生の主体性を尊重しつつやる気にさせるには,学習内容の工夫が必要である。本校は,学生の興味をひく授業展開の1つとしてSPの活用や関連図思考を早くから取り入れてきた。
本稿では,本校におけるSPの活用における3つの異なる取り組みを紹介する。
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